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復興へ 生存権こそ 被災者の権利か「公共の福祉」か 建築制限 住宅再建支援 財産権保障どこ...

■題 名 復興へ 生存権こそ 被災者の権利か「公共の福祉」か 建築制限 住宅再建支援 財産権保障どこまで 憲法に「非常事態条項」
■日 付 1899年12月31日 ■大分類 新聞等(朝日)
■概要 . 東日本大震災で被災した人たちは、憲法が保障する生存権が脅かされかねない状況にある。憲法施行から3日で64年。政治は憲法の理念に基づき、救済や復興を急がねばならない。東日本大震災からの復興を進める際、憲法が国民に保障する権利と「公共の福祉」がせめぎ合う場面が出てくることになる。個人の権利はどこまで認められるかが、大きな論点だ。

◇建築制限 住宅再建支援 財産権保障どこまで
 「山を削って、高台に住むところを置く」4月1日、菅直人首相は会見で集団移転の構想を語った。復興構想会議も同23日、宮城県の村井嘉浩知事が三陸地方の「高台移転・職住分離」論を提言した。被災地で住宅・土地の権利を一定程度制限することは、現実味を帯びてきている。
 憲法22条は居住の自由を認めているが、「公共の福祉に反しない限り」と定めている。財産権を定めた憲法29条も、補償と引き換えに私有財産を公共のために使うことを認める。
 朝日新聞の世論調査では住宅などの建築を長期間、禁止・制限する措置に対し、50%が賛成と答えた。住民の理解を得ながら権利を制限できるのか、復興の大きな課題だ。
 生活再建に現行制度が十分か否かも焦点だ。住宅再建に最大300万円を支給する今の制度は2007年、被災者生活再建支援法改正で形作られた。鳥取県知事だった片山善博総務相が00年、同県西部地震が起きた後、独自の住宅再建支援金制度創設に踏み切ったのがきっかけだ。
 政府は従来、がれき撤去などは援助するが、個人財産の住宅に公費を投入することに反対だった。片山氏は生存権を根拠に「憲法は住居の確保を政府や自治体に期待している」と主張し、いまの制度へと風穴を開けた。
 阪神大震災の被災者支援に取り組んできた津久井進弁護士も、憲法29条の財産権から住宅再建支援の正当性を説明できると主張する。「国家が国民の財産を侵害してはならないのは当たり前。国家は国民が必要な財産を確保できる仕組みをつくれるようにしようという意味がある」

◇憲法に「非常事態条項」自民模索 他党は距離
 東日本大震災を受け、憲法に非常事態条項を盛り込もうとする動きが自民党内に浮上している。武力攻撃・テロや大規模災害時に政府の権限を拡大し、国民の権利を制限する狙いだ。ただ、民主党をはじめ他党は距離を置いている。
 ドイツの憲法は国民の移転の自由について「自然災害もしくは特に重大な災害事故に対処するため必要な場合にのみ、制限することが許される」と規定。ポーランド憲法では自然災害事態が発令されると、国民の移動の自由や所有権などを制限できる。
 
◇生存権に再び脚光 上智大学教授(憲法学)高見勝利さん
 被災者は、家や生活手段を失い、生存権を持ち出す以前の状態に置かれている。被災地の復興を考えると、憲法の地方自治の理念が重要。地方自治体がいかい住民の権利や生活を守っていくのか。地方分権を含め、日本の統治システムを考えるときではないか。

◇支援の道筋 国会で 東大教授(憲法学)長谷部恭男さん
 憲法はドラえもんのポケットではない。生存権をどこまで実現すべきかは、憲法からはなかなか導き出せない話。まず、国会が決めてくれれば、それが話のとっかかりになる。
■タグ 朝日 生存権 建築規制・建築制限 住宅再建 財産権 公共の福祉 被災者生活再建支援法 非常事態 権利制限 高見勝利 長谷部恭男
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